気管支喘息は、①自律神経と②アレルギー反応の両方の側面からとらえなければなりません。日本では(アメリカ式の現代医学ではと、言ったほうが正しいかもしれません)、アレルギー反応の面からしか考えていないので、片手落ちなのです。
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。この2つは、バランスをとって体を調整しています。日中は交感神経優位、夜は副交感神経系優位になります。この2つが上手に移行しあえばいいのですが、うまくいかない場合、その切り替わりの時間である就寝時から明け方に、喘息発作が起こりやすくなるのです。喘息だけではありません。血液は明け方に凝固しやすくなり、脳梗塞も起こりやすくなります。心筋梗塞は、やや遅く、明け方から午前中に起こりやすくなります。
冠攣縮性狭心症(安静時狭心症)は、夜間から深夜・明け方から午前中というように、自律神経は、人間の健康と大きく関わっています。昔は、喘息の人は、乾布摩擦をしていましたが、今は乾布摩擦を勧めるドクターは、ほとんどいないでしょう。でも大事なことです。皮膚をこすると、気管が拡張して呼吸が楽になります。腹いっぱい食べたり、お風呂に入ると気管は狭くなり、喘息発作が出やすくなります。
「今日は、かぜ気味なので、お風呂に入って早めに寝よう」などと考えないで下さい。これらもすべて自律神経の調節と関係しています。アレルギー反応ではありません。
アトピー性皮膚炎で、お困りの患者さんは非常に多いようです。特にお子さんは、自分で食事を選べないので、自宅と学校での食事が非常に大事になります。まずお子さんの場合は、①乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズ・バター)、②卵はやめてみましょう。
大人はいろいろ食べるので、やや複雑ですが、基本的には①と②、さらに③牛肉④パン(特にイーストフード・ショートニング・マーガリンで作ったもの、大方はこれ)が多すぎないかチェックして下さい。これらを除くだけでも、ずいぶん違うはずです。慢性蕁麻疹もそうです。
喘息やアトピー・蕁麻疹なども、漢方が非常に役に立つ病気です。しかし、食事がしっかりしないと、良くなったと思ってもまたぶり返してしまいます。
漢方は、肺の薬である、⑲小青竜湯、麻杏甘石湯、95五虎湯、腎を強くする⑦八味地黄丸、子どもは、胃腸を強くするために99小建中湯、41補中益気湯などをよく使います。