【1】
真っ先に、乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズ・バター)は、やめて下さい。健康に良いという健康神話に乗って、毎日、摂取していませんか?乳製品は、「インスリン様成長因子(IGF-1)」を含むため、がんの促進剤と言えます。極論を言えば、牛乳は、牛の赤ちゃんが飲むものです。
【2】
糖質制限という言葉があります。炭水化物(米・麦・芋などの穀物)・果物ががんの栄養になるのです。がん細胞は、正常の細胞の10倍ものブドウ糖を取り込んで自分の栄養にするのです。ですから、がんの成長を遅くするためには、がんの主食と言えるブドウ糖の摂取すなわち炭水化物・ジュース・砂糖などの摂取を極力避ける必要があります。もちろん、新鮮な果物・人参ジュースには、がんに有効な成分があり、上手に取り入れます。コンビニや自販機の缶コーヒー・ジュースには、何のメリットもありません。
【3】
がんの促進剤になるもうひとつの食べ物は、肉です。油の豊富な霜降り牛肉・油で揚げた鳥のから揚げは、今日からやめて、大豆や小豆などのいろいろな豆、魚で蛋白質を補給しましょう。もちろん、ウインナー・ハム・ソーセージ・ベーコンなどの加工肉も御法度です。これらは体の中に活性酸素を発生させて、がんの成長を抑える免疫細胞の働きを邪魔してしまいます。
【4】
毎朝、パンのトーストにマーガリンを塗って食べていませんか?また菓子パンで済ませていませんか?忙しいからと、シリアルに牛乳、バナナで済ませていませんか?マーガリンは、植物油で健康に良いと言われた時期がありましたが、全くの誤解で、アメリカでは使用が禁止され始めました。やがて日本の店頭からも消えて行きます。シリアル・グラノーラは、原料はオーツ麦(えん麦)で良いかもしれませんが、砂糖が多く、油で揚げていたりします。蛋白質や良い脂質も含んでいません。
【5】
パンについて。精製された小麦から作るパンは、2であげた糖質です。元々、パンは発酵食品ですが、今では発酵食品でさえありません。1度、パンが入った袋の裏を見て下さい。わけのわからない添加物満載です。イースト(パン酵母)はいいですが、イーストフードは、ただの化学薬品です。ショートニング(膨張剤)+マーガリン、これが定番です。本来のパンは生き物です。また同じ精製された小麦から作られる麺も良くありません。特にラーメンは、糖質・油・添加物など、どれひとつとっても勧められません。
【6】
お米について。白米のごはんから3~5分搗き(つき)にしてみましょう。玄米は良いのですが消化に難があり、子どもたちは消化できないので家族みんなで食べられない場合は、炊飯器が2つ必要になってしまいます。5分搗きなら、胚芽も残っており、ビタミンB群が摂取できます。
【7】
お酒は炭水化物からできます。日本酒は米から、ビールは小麦から、焼酎は麦・芋から、ワインは葡萄から。それではカロリーゼロ・糖質ゼロの発泡酒はどうでしょうか。アルコールは、がん治療の味方である免疫細胞を酔わせます。一晩中、免疫細胞はふらふらして、がんの元にたどり着けません。その間にがんは大きくなっていきます。
【8】
塩について。私は長く味噌汁を勧めて来ました。日本が世界に誇る発酵食品であることに間違いはありませんが、塩分について問題があるのです。がんはナトリウムを必要とするのです。自然塩で、塩分制限して充分発酵させた味噌は、摂取する価値があるように思われます。納豆は問題ありません。
【9】
「それでは何を食べたらいいの?何も食べる物がないじゃないの」、という声が聞こえて来ます。ここが発想の転換と生活の変換が必要なところです。今までの食べ物と生活にがんになる原因があったのです。そのままでいいわけがありません。大胆な変換が必要です。と言っても簡単なことなのです。洋食から和食にもどるということなのです。加熱したり、手の込んだ料理から、できるだけ加熱しないシンプルな料理にもどすということなのです。そして食材には気を使いましょう。野菜はぜひ新鮮な有機野菜を、米は無農薬か減農薬の3~5分搗き、果物も皮ごと食べられる無農薬・減農薬のものを。
【10】
有機人参ジュース+果物、海藻(わかめ・もずく・めかぶ・ぎばざ・ひじき・・)、きのこなど、毎日食卓に載せましょう。
【11】
オメガ3が大事です。いわし・あじ・さんま・さばなどの青魚。油は亜麻仁油・えごま油・オリーブ油など。最近は、ココナッツオイルなどのMCTという中鎖脂肪酸油も利用できるようになりました。注意しなければならないのは、サラダ油、特に加熱したものは熱変性し、活性酸素も発生して良くありません。昔、「お世話になったあの人へ」と言ってお中元・お歳暮に食用油を送るコマーシャルがありましたが、今では中止なっています。お世話になった人へは送ってはいけません。ちなみに業務用の食用油には、シリコンが含まれています。空気と触れないように表面に膜を作ると油が長持ちするのです。外食や中食(お持ち帰り)すると、私達はシリコンを食べていることになります。
【12】
食べ物と同時に生活も大事です。ビタミンD濃度が高い人やビタミンDの摂取量が多い人は、がんの発生が低く、ビタミンDの合成が増える夏は、がんの進行が冬よりゆっくりであることが指摘されています。がんの治療というと大病院で行う抗がん剤と高価なサプリメントをイメージしますが、日光浴は誰にも無料です。太陽光が肌まで届くように白い服装(黒はだめ)で午前中の光に30分当たりましょう。がんの治療にはメラトニンも必要なので、夜更かしもだめです。
【13】
近くに良い公園や森林があれば、森林浴で出来立ての酸素とマイナスイオンを取り込みましょう。新鮮な空気の中には大事な菌が生きています。雲に乗り、風に乗って世界中を旅しています。雨の降ったあとの森林の清々しさはそんなこととも関係しているのです。海や滝、みんな関係しています。深呼吸して体の中に取り込み、自然と一体となりましょう。
【14】
もし、サプリメントで有用なものと問われれば、①冬虫夏草、シイタケ菌糸体培養培地抽出物、②ミサトールW(青梅のエキス)、梅テルペン、③朝鮮人参などの滋養強壮の作用のある漢方薬(人参や冬虫夏草などを含む「天仙液」は、やはり優れた発想から作られていると言えます。高価です)。④シリマリン(アリアアザミから抽出)・アルテスネイト(よもぎから抽出)など、いろいろです。
興味のある方は、福田一典先生のホームページを参照してください。
銀座東京クリニック
http://1ginzaclinic.com/
「漢方がん治療」を考える
http://blog.goo.ne.jp/kfukuda_ginzaclinic
【15】
メトホルミンなどの糖尿病薬(糖尿病の方が、がんになった場合、メトホルミンという糖尿病薬を飲んでいる人のほうが、経過が良いことがわかっています)、いわしなどの青魚成分(オメガ3)を含む薬、そのほか、これまで臨床で使われて来た安価な薬をがんに応用することができます。これは医師の腕次第ということになりますが。
【16】
少量抗がん剤療法という特殊な治療法があります。これは、医師が行うもので、患者さんができることではありませんが、とても重要な治療方法です。
『がんは引き分けに持ち込め』 三好 立 (著)
『使い方次第で抗がん剤は効く!』 梅澤 充 (著)
有名な大量ビタミンC点滴療法(1回50~75g)も有効ですが、胸水や腹水がたまるがんには使えません。1週間に2回くらいできればいいのですが、高価です。
【17】
保険医療でできる免疫療法は限られてしまうのですが、現在、効果が見直されている「丸山ワクチン」をお勧めします。胃がんにはレンチナンの注射、そして、患者さんのがんの進行と体力を見て、漢方薬を飲んで頂きます。当院では煎じ薬は使っていませんので、ご了承ください。
まとめです。繰り返しますが、がんは大量の糖分・炭水化物を取り込みます。乳製品が好きです。夜更かしが好きです。体を傷つけ慢性炎症を作るファストフード・清涼飲料水・ケーキ・アイスクリームが好きです。抗がん剤一辺倒のがん治療はおしまいです。健闘をお祈りします。
★とても大事なお話
和田 洋巳先生(京都大学名誉教授・からすま和田クリニック)
『がんに負けないからだをつくる』食事でがんが治るのか?
http://gan-narinikui.org/topics/pdf/media/hiromiwada20160521.pdf
『炎症と代謝調節から考えるがん治療』
http://gan-narinikui.org/topics/pdf/media/hiromiwada20141103.pdf
『がんに負けないこころとからだのつくりかた』
浜口 玲央・長谷川 充子 (著), 和田 洋巳 (著, 監修)