日本人は、昔から胃の不調を訴えることが多い民族です。ヘリコバクター・ピロリ菌が多いのは、日本人とイタリア人。ピロリ菌のために、蕁麻疹や貧血になっている場合もあります。
日本人の7割がピロリ菌を持っていると言われますが、最近の若い人には少なくなっています。ピロリ菌がどのようにして、日本人の胃の中に住み着くようになったのかは、よくわかっていません。井戸水にもいるそうなので、最近は井戸水など飲みませんから、若者の胃にはピロリ菌はいなくなったのだろうと思われます。
ピロリ菌がいるかどうかは、便を取って調べることができます。もちろん、胃カメラ(胃内視鏡)で調べることもできます。血液検査でわかるのは、ピロリ菌に対する抗体ですので、直接ピロリ菌を証明するものではありませんのでご注意ください。
最近は、安易に逆流性食道炎と言われることが多くなりました。高齢者が「胸やけがする」と訴えると、すぐ強力な制酸剤が処方されますが、胃酸は食べた物を消化するために絶対必要なものです。鉄やカルシウムの吸収にも必要です。
高齢者になると、貧血や骨粗鬆症が多くなり、骨折しやすくなります。安易に制酸剤で「胸やけ」を抑えれば良いと言うものではありません。高齢になり唾液や粘液・消化酵素などが少なくなって来ることのほうが大きな問題でしょう。
できるだけ強力な制酸剤は少なくし、消化機能を元気にする漢方(㊸六君子湯・㉜人参湯など)やビタミンB・エビオスなどを飲むことをお勧めします。
おなかの手術を受けたことがある方は、寒い季節(秋~冬)に腸閉塞になることがあります。変におなかがはって痛く、吐き気がする場合、早めにレントゲンを撮って、漢方(100大建中湯など)を飲むと入院・絶食しなくて済む場合があります。
寒い時期は、腹巻などをして冷やさないように気をつけてください。焼肉・こんにゃく・わかめ・たけのこなどは、最初から細かく切って料理して下さい。
胆石・脂肪肝・肝がん、尿管結石・腎がん、腹部大動脈瘤などは、超音波検査(エコー)で良くわかります。超音波検査は全く痛くないので、定期的にチェックしておくと良いと思います。